日本成人矯正歯科学会

歯科衛生士向けセミナー(第11回)抄録

日本成人矯正歯科学会 前理事長 小谷田 仁
タイトル:歯科矯正装置の種類と問題点

近年の歯科矯正治療では、理想的機能咬合の具現化、審美的矯正歯科装置の開発、治療の効率化を目標として、ストレートワイヤー法、審美的歯科矯正装置(舌側矯正など)、セルフライゲーション、マウスピース(アライナー)装置などが開発臨床応用化されています。そしてその発展の基本となる新合金ワイヤー、コンピューター症例分析、インダイレクト法の開発など、多くの歯科矯正分野におけるイノベーションが実現化されて来ました。また、I.T.技術の応用によって、可撤式マウスピース(アライナー)矯正、コア・システムの精度化が進み、広範囲の臨床的応用が進められています。また、小児(予防的、抑制的)歯科矯正治療が、患者マーケット拡大の意味も含めて注目されている様にもみえます。その一方、現在の矯正界では矯正装置の使用についての深刻な社会的医療問題もあり、科学的根拠に基づいた歯科医療(Evidence Based Dentistry)の重要性が課題になっています。今回の講演では、従来からの基本的矯正装置に加え、近年取り入れられている新しい装置についても、その種類、分類、目的、特徴および装置使用に伴う生物学的、心理的、社会的な問題点についても触れることが出来たらと考えております。

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