歯科医師向けセミナ-(第33回)
かなお矯正・小児歯科クリニック院長 金尾 晃
タイトル:インハウスによる歯科矯正治療の革新と展望
近年における患者の三次元デジタルデータの取得技術(入力)、高度な解析ソフトウェア(編集)、多様な出力機器(出力)といったデジタル技術の急速な発展により、矯正歯科治療に大きな変化がもたらされている。これらの技術は、診査から診断、治療計画、バイオメカニクスに基づく装置製作、治療モニタリングに至るまで、矯正治療の柔軟性と精度の向上に寄与している。本発表では、これらの技術が臨床にどのように応用され、矯正治療に革新をもたらしているかについて、具体的な臨床例を交えて報告する。
また、自院でデジタルデバイスを用いて矯正装置を製作する「インハウスアプライアンス」は、次世代のデジタル・デンティストリーを象徴する技術として注目されている。このアプローチの導入により、患者個々のカスタマイズ性や治療効率が向上する点で大きなメリットが見込まれる。しかし、導入には技術的な課題や厳密な品質管理が必要であり、これらの課題を解決することで、矯正歯科医療のさらなる発展が期待される。
本発表では、インハウス系アプローチの技術的進展について展望し、デジタル技術が治療の質と効率をどのように向上させるかについて考察する。