第29回秋季学会セミナー 抄録
髙岡 亮太
タイトル:歯科矯正用アンカースクリューを用いたガミースマイル症例に対する攻略法
近年、デジタルデンティストリーは飛躍的な進歩をとげている。中でも、口腔内スキャナーの開発は、患者の健康増進のみならず
我々歯科医療関係者に対しても多大な貢献をもたらしたと言っても過言ではないであろう。現在、私たちの診療科では、補綴診療
だけではなく顎関節症患者に対する資料採得の一つとして口腔内スキャナーによる印象採得を実施している。口腔内スキャナーは
医療現場で抱える問題を解決することができる有益な医療機器の一つであり、例えば、スキャンデータを管理するだけで、従来必
要であった石膏模型の保管が省略できるだけでなく、スキャンデータの重ね合わせにより経時的な口腔内の変化をより正確にかつ
効率的に調査することが可能となった。本講演では、現時点での口腔内スキャナーの精度や撮影方法などの基本情報を紹介し、ま
た、これまでに経験したエラーから判明したスキャン時の注意点をについて説明させていただく。また、従来のシリコーン印象材
を使用した印象採得法と比較し、口腔内スキャナーだから可能になったこと、さらには現在の課題点について補綴医としての立場
から解説させていただく。